倖田來未、大塚愛ら女性エンターテイナー紹介

ニュースで中島と筑紫が対談した。筑紫は、昔アジアを取り上げねばと思った時、既に貴女が先に取り上げていて先を越されたと思いました（笑）と述べた。それがこの「EASTASIA」である。
“世界の場所を教える地図は誰でも自分が真ん中だと言い張る”これはどの国もそうだが、特に世界の中心という意味を持つ「中国」を暗示させる。元々今作は天安門事件を機に作られたという。そこから広がるアジアへの俯瞰した視点がこの曲の世界観だ。だが男性的で政治的な節回しは一切なく、中島の女性らしい大きく高い視点でアジアをみつめている。
“こんな力だけで心まで縛れはしない”という詞。同事件の政府の力による封じ込めに対する人間の逞しさだが、同時に政治の世界で、西洋の技術主義がアジアを搾取してきたことに対する、アジア人の屈服しない思想性や人間性の美徳をも表している。
しかし、そんなアジアは現実には国同士の格差、軋轢、領土問題と、潜在的な火薬庫である。その上で彼女は主題を問題提起ではなく、抽象的に心で感じ取れるように述べている。
“くにの名はEASTASIA黒い瞳のくに むずかしくは知らない ただEASTASIA”
ここには、政治的にアジアが一つになる難しさの反面、一個の人間同士の繋がりを発見させられる。だから詞では国境のない宇宙からの視点が盛り込まれ、女性らしい愛情の目線で核心を得ている。
黒い瞳のくに、のようなものを、もしアジアが現実的に目指すとして、EU的な経済統合や、更には緩やかな政治連携をも持つに至るには、絶対に中国政府がその領土政策における強引さを辞めねばならない。アジア各地の領土問題には必ず中国が一枚かんでいるからだ。そうでなければ、先ず安全保障の段階でありえない話ということになる。そういう意味でも、この曲が中国の天安門事件から始まったというのは全てリンクしていると思う。

完成度の高い曲がずらずらと並ぶ様は、まるでベスト版のようです。タイトル曲のEast Asiaは、歌詞のスケールの大きさにミュージカルばりの伴奏が相まって、豪華豪華。彼女のベストの１曲だと思います。人間の幅の広さを伺わせる曲もEast Asiaをはじめ「誕生」や「二隻の舟」など、昔のみゆきさんの暗いイメージはどこ？的なアルバムです。「誕生」は、彼女の曲の中では断然完成度の高い曲ですし、歌詞自体まさにそう思える瞬間（私も年を取りました）があり、涙涙です。なんて優しい歌詞なんだろうと敬服してしまいます。「二隻の舟」は、渋谷で毎年行われていた「夜会」で必ず歌われていた曲で、音楽的な展開も今までにないものだし、歌詞も生きていく強さが感じられる名曲。後にピアノをフィーチャーしたバージョンもでますが、こちらの方が「夜会」で最初に歌われた形により近いものです。地味ながら心に染み通る「萩野原」は、本当に癒し系。最後の「糸」は、結婚式にまで使われる位前向きな曲。二人で生きることが、他者をはぐくむことになるなど、なんと素敵な歌詞でしょう。彼女のアルバムの中では何をおいても一押しのものです。

世界中の人に聴いてもらいたい傑作だと思います。
「ＥＡＳＴ　ＡＳＩＡ」を初めて聴いたときには鳥肌が立ちました。
頭の中に映像が浮かんでくるのです。
彼女の曲のなかではこれが一番好きです。
他にも「浅い眠り」、「誕生」、「ニ隻の船」もすばらしい！
何度も何度も繰り返し聴いても飽きません。
最後の「糸」で締めくくっているのがニクイ。
いい映画を見終わった後の充実感と満足感が残ります。

このアルバムは、凄い！　すべての楽曲が完成度が高いばかりか、そのオリジナリティは、アルバムタイトルの「EAST ASIA」で、よく分かる。これほどまでに、彼女自身のイメージを高めたものは、あの最近の「地上のなんとか」なんて問題にならないくらい、素晴らしい楽曲である。 この「EAST ASIA」だけでも、彼女の音楽性と詩人としての感性と両方を併せ持つ叙情性は、類まれなものである、と私は、とことん、惚れたのよ、「EAST ASIA」に。詩を噛み締めて聞いてみて。

別れの予感がする恋人に、会いに行く長距離バス
のイヤホンから、偶然流れてきました。
リリースされたばかりの、『EAST ASIA 』
でも私は、偶然だとは思えなかった。
神様からの贈り物だと思った。
これから起こるであろう、別れを、乗り越えていく
強さを与えてくれた、贈り物。
それから何年が過ぎたか・・・。
泣きたい夜、じっくり考え事をしたい夜、
このＣＤに手を伸ばします。
いつも、いつでも、私の心の味方になってくれる、
勇気を与えてくれる『EAST ASIA 』
あなたにも、私にも、人生の荒波を共に
渡っていける誰かが、現れますように。