倖田來未、大塚愛ら女性エンターテイナー紹介

かつては毎日聞いてた中島みゆき。それが何時の間にやらほとんど聞かなくなってしまって。でも最近又ちょっと。
マニアックに好きな方ならこういう区分が分かると思いますが、このへん「中期」くらいが一番好きでした。壮大な人間愛、みたいなことが歌われている大作よりも、あくまで個人的な片隅の哀切の表現でしかないような、佳品とでもいうべき作品（傑作「波の上」を頂点とするような）が。
中島みゆきを好きになったきっかけは、時のトレンディードラマの主題歌にもなった「浅い眠り」で、初めて買ったアルバムは「ＥＡＳＴ　ＡＳＩＡ」でした。世代が現れているでしょうか。
ミュージシャンとして成功しながら、なおかつなぜこんなにも切実に孤独な歌が歌えたのか。当時は思いませんでしたが、今は不思議に思えます。

まずシングルで先行発表された『見返り美人』。この作品がLP-Versionで発売されなかったのが実に残念。聴き較べるとサウンド・クリエーションが全く違うのである。
バックの演奏も倉田信雄、岡沢章、山木秀夫…など、後に吉田美奈子の作品を語るに欠かせない凄いメンバー。それに負けることのない中島みゆき本人の歌唱も緊張感と迫力に満ちている。
『やまねこ』では杉本和世とＥＶＥのバック・ヴォーカルが白眉。久石譲の編曲による『最悪』と『白鳥の歌が聴こえる』も見事であり、中島曰くところの“御乱心の時代”、最高傑作ではないだろうか。
本作から中島の作品が「都会的」になったとされるが、それは表面上のこと。『見返り美人』や『白鳥の…』の詩作を紐解くことで本来の彼女もしっかり存在している事実が把握できる。
サウンドも含め、今も衰えぬパワーを聴いて頂きたい。

このアルバムには、力強い応援歌は入っていない。ここに入っている曲
は、歌詞にとても色気を感じさせるものばかりだ。
色気といっても、いやらしさではない。
わざと突き放す姿から切々と伝わってくるような、行間に漂う色気とで
も言おうか。
「HALF」のように、プラトニックを連想させる曲が、みゆきさんの曲に
は多い。それでいて、このあふれる色っぽい魅力は何なのだろう。
新作「恋文」に連なる曲もそうだが、この人が歌う愛の歌は、清潔で、
可愛らしいほど女らしい。

お勧めは、HALFですね。心の琴線に触れられて、とても心地良い
です。ただ、途中から、好みが別れるアレンジだと思います。それ
を含めても、良い曲。他の曲も、キチンとしています。

中島みゆきが自分のイメージを払拭しようとしたアルバム。わざとハードな音にしてます。タイトルの｢36.5℃｣は普通を意識していて裏を返せば、普通じゃないよと言っているようにも取れる。ラストの曲が｢白鳥の歌が聴こえる｣だし、ジャケットの手が握られていないなど、かなり凝ったメッセージになってる。中島みゆきはこのアルバムで自分を殺した。そして次のアルバムのタイトルが｢中島みゆき｣だったりする。