愛していると云ってくれ
人気ランキング : 2,906位 |
価格 | 商品名 |
¥ 2,693 | 愛していると云ってくれ |
前向きさと元気だけではやはり大人は生きていけない、というかこの作品がリリースされた1978年当時は、若い世代にこそ、このネクラという不名誉な形容の世界観が大いに受け入れられていたのだ。自分の男を奪った女に電話して、その女がまた優しく話し続けてくれるという冒頭の朗読「元気ですか」、壮絶でもあり、女の悲しい業を描く大ヒット「わかれうた」や「化粧」、冴えた文体で不器用な生き方しか出来ない人間にとっての世の中を描く「世情」などなど、これぞまさに70年代日本のブルース。でも、実は男女の関係もミュージシャンを目指す貧乏青年も、さして人間その時代と変わりはしない…悲しさに耽溺(てんでき)するも冷静に聴くもアリな懐深い作品だ。(石角友香)
昔の中島みゆきではこれが一押し! |
昔の中島みゆきは電気を消した真っ暗な部屋で、
一人でヘッドフォンで聴くのが正しいと個人的には思ってます。
そこでどっぷりと中島みゆきの世界に浸れる人ならこのアルバムが
最高ではないでしょうか。
『元気ですか』は大胆にも朗読という表現方法をとっており、
その表現力には脱帽で、『怜子』につながった時にゾクゾクするほど。
『わかれうた』『世情』など有名な曲もありますが、
上質な映画でも見ているような『ミルク32』や『お前の家』なども
味わい深い曲。
90年代以降、内容に合わせて声自体の巧みな使い分けが顕著な
中島みゆきですが、このアルバムの時点でもいろいろな声で胸に迫る
歌を聞かせてくれています。
受けとめる力 |
哀しい。
この一枚を聴き終えて、率直に思う言葉。
哀しい。
「暗い」などと安直な表現をしたい訳ではない。
人間の哀しさを
みごとに哀しく歌い綴る中島みゆき。
余計なものは一切ない。
純度の高い作品たちを生む仕事もたいへんだが、
それを受けとめる力も、同じくらい要求されるだろう。
ひとつひとつの歌に耳を傾けながら、
彼女のまなざしを想像してしまう私。
「おまえの家」「怜子」「ミルク32」
が、個人的にお気に入り。
初期中島みゆきの本質 |
中島みゆきの中でも非常に好きな一作。
初期中島みゆきの集大成的印象。
フォーク・カントリー調の雰囲気を離れ独自の世界観、ワールド
の確立へと向かう中での作品という印象。
学生運動の気配を色濃く感じさせる「世情」は名曲。
私自身が最も好きなのは、なにかしら情景が目前にうかんでくる
ような「おまえの家」。間奏のギターを譜面を見ながらコピーし
たのを思い出します。
初期の中島みゆき100%のアルバム |
「わかれうた」を含む、知名度的にはもっとも高く、インパクトの強いアルバム。初期の中島みゆきの「暗い」というイメージに一番あっているが、現在しっかり聞き直してみると、実は「暗い」=「自分の気持ちに誠実」という図式が感じられることだろう。
なんといっても冒頭の「元気ですか」「怜子」の続きはインパクトが強い。台詞だけの「元気ですか」は、自分の好きな男の今の彼女に電話をかけるというシチュエーションだけでも怖いが、その台詞の内容や、バックから聞こえてくるとても悲しいオルガン曲を練習しているイライラした気分の重複など、彼女らしい曲として一番に挙げられるが、お薦めできる曲ではない。そこから無伴奏で「怜子」と切って入る第2曲の始まりの凄さは、他の方々も書かれている通り。
私的には、ギター伴奏だけの静かな「ミルク32」と「おまえの家」が大好き。何ともシャイな状況で静かに歌われる中にとても切なさを感じる。これ以上悲しい曲はないのではないかと思われる「海鳴り」も大好き。
今となってはアレンジが少し古臭いと感じられるのは「化粧」「あほう鳥」「世情」。しかし「化粧」での泣きは、当時の中島みゆきのもっとも中島みゆきらしい歌い方でインパクトが強いし、金八先生で使われた「世情」に強い思いを抱かれている人も多いと思う。「あほう鳥」は、ライブアルバム「歌暦」でかっこいいバージョンが入っているのでそちらの方がいいかも。
中島みゆきを語る上で絶対抜かせないアルバムなので、彼女の歌を深く聞き込みたい人には必須のアイテムだと思います。
愛していると云ってくれ |
このレコードが欲しい!!